錦織が不在でも、大坂なおみがいる。コートを支配して上位シード撃破 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

 かくして世界5位を破り、ベスト4に進出した大坂が準決勝で対戦するのは、世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)。約2ヵ月前の全豪オープン4回戦で対戦し、ストレートで破れた相手でもある。

 その敗戦も踏まえて大坂は、きたる決戦に向けて「前回の対戦ではミスが多く、消極的だった。もっとやるべきことを貫き、同時に、長い打ち合いに持ち込まなくてはいけない」と言った。長期戦への覚悟は、昨年末から徹底的に鍛えてきたフィジカル向上への自信の表れでもあるだろう。そして体力面での自信が、精神面を安定させる好循環を生んでいる。

 インディアンウェルズ開催のこの大会で日本人がベスト4に勝ち進んだのは、1996年の伊達公子以来。だが、その事実にはさしたる関心を示すことなく、20歳の準決勝進出者は言う。

「誰かが作った記録を破るのではなく、私は、新しい記録を......これまで誰もやらなかった新しいことを生み出したい」

 一足飛びにトッププレーヤーへの階段を駆け上がる彼女が目指すのは、前人未到の地。保管庫に収められた過去には目もくれず、大坂なおみは新たな歴史を築きにいく。

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