体さえ持てば......錦織圭にウインブルドンのベスト8が見えてくる (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 今回のウインブルドンで錦織(ATPランキング9位、6月26日付、以下同)は第9シードになったが、グランドスラムで上位8シードに入れなかったのは、2014年のUS(全米)オープン以来となる。

「やっぱり8シード以内にいたい気持ちはあります。8シードから外れると、若干不安というか、ドロー運にもよってしまう。なるべく優位に進めるには、8位以内に入っておかないといけない。でも、第9シードでも戦うしかない。置かれた状況で頑張るしかない」

 そして、錦織は大会ドローのトップハーフに入り、1回戦の対戦相手はマルコ・チェッキナート(105位・イタリア)で、初対決となる。

「片手バックでフラットも打てる。どちらかというと、クレーコーター(クレーが得意な選手)ぽいイメージがある。僕もコーチも、そんなに直接見ていない。情報を集めながら、試合中に試行錯誤しなければいけない部分はあると思う」

 こう語る錦織が勝ち上がると、2回戦では、ジュリアン・ベネトー(81位、フランス)と予選勝者のセルゲイ・スタコフスキ(122位、ウクライナ)の勝者と対戦する。ベネトーとの対戦成績は錦織の4勝1敗で、スタコフスキとは錦織の0勝2敗だ。

 さらに順当にいった場合、3回戦からシード選手同士の対戦が始まり、想定される3回戦では、第18シードのロベルト・バウティスタ・アグート(19位、スペイン)で、錦織の4勝0敗。4回戦では、第7シードのマリン・チリッチ(6位、クロアチア)で、錦織の7勝6敗。チリッチは前哨戦のATPクィーンズ大会で準優勝して、自己最高の6位となり好調を維持している。

 ここまで突破した場合、順当なら準々決勝ではウインブルドンで2回優勝している第4シードのラファエル・ナダル(2位、スペイン)で、錦織の2勝9敗。ウインブルドンでは過去2年のグラス大会での成績を重視する独自のシード制を採用しているため、ナダルのシードは最新ランキングより下となった。

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