ジュネーブ出場は吉と出るか?錦織圭が異例の調整で全仏オープン突入 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 グランドスラム直前週の大会に出場するのは、2011年USオープン以来のことだったが、錦織に帯同するダンテ・ボッティーニコーチも、錦織が全仏直前に残した結果を評価する。

「とてもいいよ。ローマまでで4試合しかできなかったから、(ベスト4に進出した)ジュネーブでの3試合は、圭にとって素晴らしい結果でうれしく思います」

 錦織がパリ入りして、初練習をしたのは大会開幕の前日となった。

 練習を始める前には、中尾公一トレーナーが右手首から右ひじにかけて、長い時間を費やしてマッサージを施し、練習中に手首のストレッチをする場面も見られた。それでも「手首の調子はすごくよくなっている」という錦織は、練習を重ねるたびに調子を上げていった。

 練習を見守ったボッティーニコーチも「(右手首は)今のところはいいようです。ジュネーブでもここ(ローランギャロス)でも問題ありません。サーブも今のところ影響はないですね」とホッとした表情を見せている。

 今回の全仏で錦織は、ロジャー・フェデラー(5位)の欠場により、ひとつ繰り上がって第8シードになり、大会ドローのトップハーフに入った。1回戦の相手は、タナシ・コキナキス(ランキングなし・オーストラリア)に決まり、初対決となる。

 コキナキスは21歳で、ATPの"Next Gen"と呼ばれる若手注目株のひとりだが、2015年12月に右肩の手術をしたため、それ以降はほとんどプレーができておらず、昨シーズンはリオデジャネイロオリンピックだけプレーした。今季もダブルスで2大会出場するだけにとどまっており、全仏は手術前のプロテクトランキング(公傷による特別ランキング)80位を使用しての出場となった。

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