不屈の46歳、伊達公子。新作ラケットに込めた再チャレンジへの決意 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 それほどまでにラケットに繊細な感触を追求する伊達が、最初の試打で求めたのは、反発力がありながらも、なおかつコントロールがしやすいものであった。そこで開発陣は、フレームに使われるグラスファイバーの織り上げる角度等を微調整し、飛距離と制御のバランスという、難解な数式の解明へと取り組む。かくして年が明けた今年1月、伊達が納得する"再チャレンジ"に向けた1本が仕上がった。

 それら、確固たる目的意識と新たな武器を携えた復帰戦では、「上出来」と自認するプレーができた。持ち帰った「課題は当然たくさんある」が、「課題があるのはプラス」と彼女はとらえている。その課題への解を求め、早くも数日後には、韓国の昌原(チャンウォン)市で開催されるITF(下部ツアー大会)予選に挑む予定だ。

 超えるべきハードルが見つかったことを喜ぶように、彼女は笑顔を輝かせる。「やっと立ったスタート地点」から、46歳の不屈のチャレンジャーはさらに歩みを進めていく。

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