フェデラーvsナダルの全豪決勝は「テニス史に残る名勝負」の予感 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 復活をかけた今回の全豪で、ナダルは準々決勝で第3シードのミロシュ・ラオニッチ(3位)、準決勝で今季好調だった第15シードのグレゴー・ディミトロフ(15位)を破って、3年ぶり4度目の決勝進出を果たした。

 フェデラーとナダルのグランドスラム決勝対決は、2011年ローランギャロス(全仏テニス)以来となるが、この黄金カード実現の裏には、もちろん第1シードのアンディ・マリー(1位)の4回戦敗退と、第2シードのノバク・ジョコビッチ(2位)の2回戦敗退の影響がある。また、錦織世代や、その下の20歳前後の若手選手たちの力不足もあるだろう。

 だが、それ以上にフェデラーとナダルがグランドスラムのコート上で見せる、他を圧倒するような勝利への執念とテニスへの情熱によって、この対決が実現したともいえるのではないだろうか。

 奇しくも全豪女子決勝では、35歳のセリーナ・ウイリアムズ(WTAランキング2位)と36歳のヴィーナス・ウイリアムズ(17位)の姉妹対決が実現し、近年のグランドスラムでは稀に見る、男女決勝ともに30代対決という組み合わせになった。

「ユニークな状況となったけど、2度と起こらないだろうから、楽しもうよ(笑)。(ウイリアムズ)姉妹もよくやっていると思う。(男女決勝は)素晴らしいものになるさ」(ナダル)

 フェデラーとナダルの対決は、35度目になるが、対戦成績はフェデラーの11勝23敗で、グランドスラムではフェデラーの2勝9敗、全豪では3度対戦があるがナダルがすべて勝っている。

「グランドスラムの決勝で、ロジャーとプレーすることは特別だよ」とグランドスラム14勝のナダルが言えば、「ラファは何度もケガからカムバックしてきた。信じられないようなテニス選手だ」とグランドスラム17勝のフェデラーが語り、お互いリスペクトし合っている。

 この先、あと何回フェデラーとナダルのライバル対決を見ることができるだろうか。ましてや、グランドスラム決勝での対決となれば、さらにその回数は限られるだろう。どちらが勝つにしても、われわれはテニス史に残る歴史的な瞬間を目撃することになる。

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