錦織圭の潔い決断。目指すべき地点は3回戦進出ではない (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 今季の錦織は半年以上を戦い、ハーレ大会・準決勝までの46試合、一度も棄権がなかった。そこに到るまでに、3月の北米ハードコート・マスターズ2連戦、そして5月の欧州クレーコート・マスターズ2連戦も乗り越えてきた。「僕はほとんどの試合で、100パーセントの力を出し切り戦っている。ケガをしないように準備しているが、それでもケガが出るのは仕方ない」と振り返る錦織にとって、トッププレーヤーとしての責務を果たし、最終的にはケガで終えた今年の欧州シリーズは、またひとつ貴重な知識と、今後につながる判断材料を持ち帰る場となっただろう。

 「これから先も、ウインブルドンは毎年やってくる」「So…should be Okay」――だから大丈夫さ――英語の質疑応答の最後に、錦織はそう言った。

 長いアウェーの欧州遠征は終幕し、シーズンそのものも一旦の小休止を迎える。次なる戦場は、錦織が本拠とする北米のハードコートであり、8月3日に開幕するワシントンDC大会が再戦の場となる予定だ。

 Should be Okay――。そう、シーズンはようやく、折り返し地点に差し掛かったばかりなのだから。


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