神尾米が語る2014年「今季の伊達さんはすごく明るかった」 (5ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

 フィジカル面は、復帰した2008年よりも現在のほうが上でしょう。復帰したばかりのころは、フットワークの面などでも、「昔の伊達さんだったら取れていたのにな~」と思うことがあったのですが、今は瞬発力や踏んばる力が上がっていると思います。あれだけ体力を上げるためには、相当トレーニングをしているはずですよ。体力だけでなく、筋力も鍛えているはずです。そうでなければ、あんなに速いタイミングでボールを速く、深く打ち続けるなんて、不可能ですもの。

 伊達さんの自分への厳しさは、大会中の練習コートでの姿を見ても分かります。ウインブルドンでも、コーチと意見をぶつけながら練習していました。自分に求めるものがとても高く、徹底的に追及していく――。その厳しさは、他のツアー選手と比べても上だと思います。

 逆にオフコートの伊達さんは、特に今季は、「ものすごく明るいな」というのが印象的でした。全仏オープンのとき、練習コートに入る前の伊達さんと立ち話をしたのですが、ピリピリしたところがなく、楽しくお話ししました。また、全米オープンのときも、ダブルスの試合前にアップしていた伊達さんに、「元気ですね~」と声をかけたら、「もう、身体ボロボロよ~」と口では言いながら、すごく良い表情をされていたんですね。試合後に収録スタジオに来てくれたときも、向かってくる伊達さんに手を振ったら振りかえしてくれたり、とてもリラックスされていました。オンとオフの切り変えには、すさまじいものを感じますね。

 来年以降の伊達さんの戦いでカギとなるのは、「いかにフィジカルを維持してケガをしないか」でしょう。それさえ問題なければ、グランドスラムなどでまたすごいことをやってくれるのではないでしょうか。体調面とドローの運が重なれば、その可能性は高いと思います。

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