【テニス】フェド杯でロシアに敗退。絶不調・クルム伊達の誤算とは? (3ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

 だが、村上監督の願いとは裏腹に、右足首にテーピングをしたクルム伊達は精彩を欠き、1-6、1-6で敗れた。結局、この第4試合を取れなかったことが敗戦につながった格好になり、チームに貢献できなかったクルム伊達からは、珍しく弱気な言葉が出た。

「自分の考えているパフォーマンスの半分以下なので、何も力になれていない。唯一できていることは、悪いムードをつくっているだけ。(私が)いたほうがよかったのか......。いないほうがよかったんじゃないかという思いもあります」

 一方、強豪ロシアからシングルスで2勝を挙げ、目を見張るような成長を遂げた森田は、エースらしく冷静にロシア戦を振り返った。

「伊達さんも、初日は勝てるチャンスがあった。足のケガがあって、ついていなかった部分はあったけど、(日本が)3-0で勝っていてもおかしくなかった。また次に向けて一人ひとりが実力をつけられるよう頑張りたい」

 4月20、21日に、日本はワールドグループ残留をかけて、スペインとプレイオフを戦う。森田に続く若手の実力がさらに上がってくるまで、そしてワールドグループで生き残るためにも、まだまだクルム伊達の力が必要とされている。

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