田村優が学生SOに助言「自分なら
トップリーグの下位チームを選ぶ」
日本代表が史上初めてベスト8に入る快挙を成し遂げた、ラグビーワールドカップから1カ月あまり。代表選手たちはテレビに出たり、雑誌の表紙を飾ったり、さらには日本代表のスローガン「ONE TEAM」が流行語大賞を受賞するなど、その余韻はまだ続いている。
日本代表を牽引した司令塔・田村優(中央)の現在の心境とは? そんななか、来年1月12日に開幕するトップリーグに向けて、ワールドカップに出場した代表選手も12月になってチームに合流してきた。日本代表の絶対的司令塔として君臨し、51得点を挙げて得点ランキングで4位に入ったSO(スタンドオフ)田村優も、所属するキヤノンイーグルスの練習に参加した。
2015年大会に続いて2回目のワールドカップ出場となった2019年大会を終えて、田村は今、どんな心境でいるのだろうか――。
「ワールドカップでベスト8に入って人生が変わったか?」と聞くと、「周りがどうなろうと、これまで生きてきた30年と、僕自身は何も変わっていない」と彼らしい答えが返ってきた。そして、ワールドカップという舞台については、「人生で最高の瞬間であることに間違いない。特別です。最高になるか、最悪になるかは自分で決められる場所だったので、最高の場所にできてよかった」と言葉を続けた。
普段の田村は大舞台でプレーしていても、ほとんど緊張しない。しかし、ワールドカップ初戦のロシア代表戦は「今までの人生で一番、緊張した試合」で、前日の夜もあまり寝つけなかったという。
「2015年大会で3勝したので、そこが最低ライン。(今回の予選プールは)4連勝しかないと考えていた。ロシア代表は格下なので、勝ち点5は取らないといけない。(開幕戦で)ミスったら、今後ラグビーが注目されることは一生ないな......というプレッシャーを感じていた」
ロシア代表戦の田村は、あまりいいパフォーマンスを発揮できなかった。次のアイルランド代表戦に向けての1週間、田村は同期のキャプテンFL(フランカー)リーチ マイケルと一緒にコーヒーをよく飲みに行ったという。
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