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無名高校→ラグビーW杯へ。
シンデレラボーイの進撃はどこまで続くか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 持ち前のパワーを武器に、大学1年時から関西大学リーグ出場を果たすと、大学3年時には大学選手権ベスト4進出に貢献。日本代表に準じる「ジュニアジャパン」にも選ばれ、全国区の右PRへと成長する。そして、トヨタ自動車でも存在感を発揮し、ルーキーながら計15試合に出場を果たした。

 木津に「選手として一番伸びたのはいつ?」と質問をぶつけると、「大学時代より、今です!」という答えが返ってきた。

「大学でも(PRとして)教えてもらったことは多々ありますが、なかなか外国出身選手と組み合うことはなかった。しかし今は、ウルフパックや練習で(自分より身体の大きな)外国出身選手と組んでいるので、さらに成長できています」

 178cmという身長は、W杯で対戦する強豪チームのPRと比較すれば小さい。そのなかで、どうやってスクラムで組み勝つか――。木津は先輩である堀江翔太や稲垣啓太らと積極的にコミュニケーションを取って、いろいろとアドバイスをもらっているという。

「接戦になればなるほど、スクラムなどのセットプレーが大事となります。組む前に(相手に有利な)ポジションを取られないよう、高さや立ち位置、バインド(相手のジャージを掴むこと)などをコントロールすることが重要になる」

 現在、木津がライバル心を燃やしている相手は、同じポジションの具だ。同じ大分の高校(日本文理大付属高)に通っていた1学年先輩である。

「年齢はひとつ違いですが、具さんは世界の舞台を経験しているので、見習うことが多々あります。いいところは吸収していって、切磋琢磨して(具さんを)超えられるようにがんばりたい」

 W杯まで、残り80日あまり。高校や大学時代の成績など、日本代表メンバーの選考にはまったく関係ない。「2月に日本代表候補合宿に呼ばれた時はびっくりしたけど、宮崎合宿のメンバーに選ばれて自信がついた」。無名の高校から日本代表候補まで上り詰めた木津は、今、静かに気持ちを高ぶらせている。

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