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こっちの「ジャパン」は強いぞ!
ラグビー日本代表、イタリアに快勝 (3ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 堀江は、前半中盤の素早い連係プレーからのトライでも、相手をギリギリにひきつけて"ノールック・背面パス"を披露した。相変わらず、うまいものだ。

「きれいなトライでしたね。サンウルブズから一緒にやっているから、コミュニケーションもとりやすい。かしこく、かしこく、スマートにやっていこうとは、ミーティングではいつも言い合っていることです」

 そうなのだ。激しくぶつかっていても、頭は冷静に。時にはキックでエリアを稼ぎ、アンストラクチャー(陣形が乱れた状態)をつくって攻める。不用意なキックは蹴らず、スペースへボールを運ぶ。場面、場面で考え、全員が同じ「絵」を共有する。このスマートさがジャパンの強みになるかもしれない。

 個性も輝いた。韋駄天のウイング福岡堅樹は前半、マークを振り切り、もうひとりのタックラーを鋭いスワーブでかわし、約50mを走り切った。ブラボー。

 ほれぼれするスピードだった。25歳はトライした瞬間、めずらしく右手を突き上げた。「気持ちよかったですね」と笑った。

「相手がどういう形でくるかなと見ていたら、ちょっと内側を気にするようなことをしていたので、これはチャンスかなと。自分のスピードに自信はありますので」

 日本にとっては、プラン通りの試合になっただろう。ひと言でいえば、「準備の勝利」である。昨秋から就いたジョン・プラムツリー・コーチが整備するディフェンスも機能し、後半は相手にトライをさせなかった。

 前にそろって鋭く出るディフェンスもあるが、フィジカルアップゆえだろう、個々のタックルの強度が上がっている。相手の芯に当たってレッグドライブ(足をかく)。2人目も速く、イタリア得意のオフロードパスをそれほど、許さなかった。

 もっとも、日本ペースの試合運びができたのは、何よりセットプレー(スクラム、ラインアウト)の安定があったからである。メンバーが替わった最後の1本こそ、コラプシング(故意に崩す行為)の反則をとられたが、スクラムはそれまでは互角以上に組んだ。

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