俊足で俊英。医者を目指すラガーマン、福岡堅樹を世界4位の強豪も絶賛 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 福岡はトップリーグでまだ2年目を迎えようとしている若手だが、決して順風満帆なラグビーキャリアではなかった。祖父が開業医、父親が歯医者という一家に生まれた福岡は、5歳のときにラグビーを始める。福岡高校3年生時には花園(全国高校ラグビー)に出場。ただ、両ひざのじん帯を断裂するという大ケガも経験している。そして、浪人の末に「ラグビーも医学の道もあきらめたくなかった」と筑波大医学群を受験するも不合格。その後、後期試験で合格した筑波大の情報学群に進学した。

 紆余曲折ありながらもラグビーをあきらめなかった福岡だが、そのスピードはすぐにエディー・ジョーンズHC(現イングランド代表)の目にとまった。大学2年生で日本代表に抜擢され、強豪ウェールズ代表との試合にスタメン出場。さらに2013年11月のスコットランド代表戦ではアウェーの地で2トライを挙げ、その名を世界に知らしめた。

 しかしながら、その後はケガなどの影響もあり、2015年のワールドカップメンバーには選ばれたものの、唯一負けたスコットランド代表戦のみの出場に終わった。「(ワールドカップでは)勝ったときにグラウンドに立っていたかったという思いもありました。完全燃焼とは言い切れません」(福岡)。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る