すごい女子高生がいた! ラグビー
初心者の大竹風美子が「東京の星」に

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

「原石」という言葉がピッタリくる選手だ。

 金メダルを目標に臨んだ昨年のリオデジャネイロ五輪で、残念ながら10位に終わってしまった「サクラセブンズ」こと、7人制ラグビー女子日本代表。大会後、当時の浅見敬子ヘッドコーチは、「世界のフィジカル、スピードは上がっている。もっと選手を発掘しないといけない」と語気を強めていた。

 そんな中、理想的な選手が彗星のごとく現れた。身長171cm、体重74kgの恵まれた体と、50mを6秒7で駆け抜けるスピードを兼ね備えた17歳、東京高校3年の大竹風美子(ふみこ)だ。

技術はこれからだが、スピード・パワーは一級品の大竹技術はこれからだが、スピード・パワーは一級品の大竹 大竹は、1月7日から11日間にわたって行なわれた「セブンズユースアカデミー」の合宿に練習生として参加。日本ラグビー協会が、ユース世代のタレント発掘と育成・強化を目的に実施した合宿で、ほかの有望選手たちを差し置いて抜群の存在感を放った。その新星の軽快な動きを見たラグビー関係者が色めき立つ。それもそのはず、大竹が本格的にラグビーを始めたのは、2017年に入ってからなのだ。

 父はナイジェリア人で、母は日本人。もともとは陸上競技で五輪出場を夢見ており、中学時代には東京都で100mと200mを制している。200mで2015年の世界陸上に出場したサニブラウン・ハキーム(城西大城西高3年)とは同学年。「東京での五輪開催が決まって、意識はしていました。ハキームは、今はスターになって遠い存在になってしまいましたが、中学時代は張り合っていましたね(笑)」と当時を振り返る。

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