【ラグビー】シーズン終了も、新しい世界で疾走し続ける五郎丸歩 (2ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 グラウンドでの結果にこだわった。実は12月のコカ・コーラ戦で途中交代したのは、コンタクトプレーで左手を痛めたからだった。骨に異常はなかったけれど、ゴム手袋みたいに膨れ上がった。握力はしばらく戻らなかった。
 
 ケガの話について質問が相次ぐと、五郎丸は「めっちゃ興味あるじゃないですか、みんな」と笑顔でさえぎった。

「こんな記事、いらないですよ。ま、いろいろなことがありますよ。次、行きましょ。もう、ケガの話はいいです」
 
 ケガとの闘いもラグビーという競技生活のひとつである。そんなこんなを含めて、「幸せなシーズン」と形容した。タフなシーズンを乗り越えられた原動力は? と聞かれると、短く即答した。

「仲間の支えですね」

 この1年でラグビー選手として成長した部分は?

「あまり変わったイメージはないですけど、やっぱり失敗しようが、成功しようが、物事にチャレンジしてみようという気持ちは前より強くなったかなと思います」

 だいたい五郎丸は、ラグビー人生の節目と位置付けたW杯を終えたら、国内だけのラグビーに集中しようと決めて臨んでいた。

「でも(W杯から)帰ってきたら、行く前の3倍、4倍、きつくなって。そのタフな中でラグビーができたというのも、またひとつの経験だろうし、人生のプラスにとらえて、これからスーパーラグビーにもチャレンジする機会をもらいました」

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