【ラグビー】大学選手権第2Sスタート、帝京大6連覇は盤石か? (2ページ目)

  • 松瀬 学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

――部内競争も激しいようです。そのなかで、学生たちがフィジカルアップにも励んでいます。
「大学ではサイズとか、フィジカルの強さは抜けています。筋力の量が圧倒的に他大学の選手と違います。基本もしっかりしています。ボールを前に運ぶ力がすごくある。これを大学では止め切れない。ゴムをビーンと張っている状態で、だれかがこれをパチンと破ったら、どんどん畳みかけていく。力也(松田=スタンドオフ)は前を見ることができますから、外にスペースが空いた瞬間にボールを回していく。結局、相手は帝京をスローダウンさせられないのです。なかなか倒れない。ボディーコントロールもうまいですし、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)のスキルも高い」

優勝候補筆頭、帝京大の司令塔、スタンドオフの松田力也(左)優勝候補筆頭、帝京大の司令塔、スタンドオフの松田力也(左)

――あえて帝京の不安要素を探すと。
「ラインアウトでしょう。でかいですけど、そんなに精度は高くありません。スクラムはそこそこじゃないですか。坂手(淳史)も経験積んで、よりフッカーらしくなってきた感じがします。フランカーのマルジーン・イラウアはシーズン序盤と比べて、プレーの精度が高くなってきた。相手にとってはイヤな存在でしょう。小瀧(尚弘)は、ロックらしい派手さはないが、真面目にコツコツと動く選手です。流(大=ゆたか)、力也のハーフ団、センターの森谷(圭介)、フルバックの重(一生)...。いい選手がいっぱいいます。とにかく他チームも頑張って、大学ラグビーの空洞化を起こさないようにしないといけません」

――もし帝京を倒すとすれば......
「絶対、ロースコアのゲームに持ち込むしかないでしょう。フィールドを有効にとって、ボールのポゼッション(保持率)を上げないといけない。キックを使っても、リ・スタートがどこから始まるかといったところまで、しっかり戦略を練ったゲームプランじゃないと勝つのは無理でしょう」

――セカンドステージでおもしろいグループは?
「C組です。筑波大はケガ人も戻ってきつつあるので、セカンドステージを突破したら、"台風の目"になるでしょう。アタックではスタンドオフの位置に入る山沢(拓也=フルバック)はスキルがあるので、おもしろいゲームをつくれる。フランカーの水上(彰太)が何気にがんばっているし、ナンバー8の山本(浩輝)もいい動きをする。あと福岡(堅樹=ウイング)が戻れば......。大化けの可能性大です」

――筑波大はセットプレーがモロい印象です。
「特にスクラムですね。帝京と戦う上では、ここを安定させないと非常に苦しい」

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