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【卓球】張本智和が中国の「天敵」を撃破して頂点へ 「得意ではない戦い方」に見出した活路 (3ページ目)

  • 井本佳孝●取材・文 text by Imoto Yoshitaka

 張本は「本当に信じられない」と連呼しながら"天敵"相手の勝利を振り返り、「ここ日本で、横浜で優勝できたことは、ほかの大会より価値があるのでうれしい」と喜びを口にした。さまざまなプレッシャーを背負う日本の22歳が、苦しみながらつかんだ横浜での栄冠だった。

 今回、張本が世界王者を撃破したなか、パリ五輪でメダルなしに終わった日本男子にとって、2028年のロサンゼルス五輪に向けて求められるのはチームとしての底上げ。世界トップ5をキープする張本に続く存在の台頭は待たれるところだ。

 その点では、今大会でベスト8入りを果たし、ドイツ・ブンデスリーガでの武者修行を続ける戸上隼輔(井村屋グループ)や、1回戦の李尚洙(韓国)との戦いで0-2のビハインドを逆転した現全日本王者の松島輝空(木下グループ)といった選手が候補に挙がる。彼らが常に世界のトップ20に顔を出し、強豪と対等に戦える力を身につければ、"張本依存"からの脱却とチーム力アップの双方を実現できるだろう。

 中国のサウスポーエースを相手に進化を見せつけ、チャンピオンズ日本初開催に華を添えた張本の栄光を称えつつ、日本男子全体の力が上がってくれることを待ちたい。

(女子編:早田ひなが張本美和との試合翌日に明かした体の状態 五輪で負ったケガは「『もう完治はしない』と言われている」>>)

【写真】全日本卓球で活躍した女子卓球の選手たち

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