平野早矢香が語った卓球女子団体、金メダルへの展望。「今大会は中国のほうに嫌な感じがあるはず」 (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi

――コロナ禍以降は国際試合での対戦が少なかったため、対策という面では難しさもあるでしょうか。

「お互いにフタを開けてみないとわからない部分はありますね。それでも私の見解としては、中国のほうに"嫌な感じ"があると思っています。中国は金メダル獲得が至上命令ですから、本番前には他の国のチームと試合を多くこなして、『今の差はどれぐらいなのか』を確認しておきたかったはずです。

 加えて、日本の選手たちのプレースタイルは、中国選手とは違う技術、そしてスピード感があるので、より脅威に感じていると思います。実際に対戦することになった時に、相手をハッとさせるようなプレーができれば、日本に流れがくるんじゃないかと考えています」

――団体戦の最年長は石川選手ですが、ロンドン五輪で同じ立場を経験した平野さんから見て、その役割をどう感じていますか?

「今回はキャプテンを担っていますが、これまでに世界選手権でも経験してはいますし、いつも通り、自然なままの彼女でいいと思います。『キャプテンだから』と肩に力を入れることなく。大会前のインタビューなどでも、吹っ切れた感じがあるというか、すごく前向きでしたね。

 東京五輪が1年延期になった時に、石川選手はベテランと言われる年齢ですから、『メンタル的に大丈夫かな』と心配していたんです。でも逆に、延期になったのをすごくプラスに捉えていて、いろんな技にトライしていました。2019年は五輪の代表レースで疲労もあったと思うので、そのまま2020年に開催されたよりも、時間をおいて、少しずつ調整できたことは彼女にとってよかったんじゃないでしょうか。シングルスでは準々決勝で敗退して悔しい思いもあるでしょうが、団体戦では彼女らしくのびのびとやってくれたらいいなと思います」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る