Tリーグで見せたみごとな修正力。14歳木原美悠の成長が止まらない

  • 小川勝●文 text by Ogawa Masaru
  • photo by Tsukida Jun/AFLO SPORT

 卓球界に優れた舞台をつくり出したTリーグは、佳境を迎えたところだ。女子の1位、2位の対戦となった木下アビエル神奈川-日本生命レッドエルフ戦は、2月9日、神奈川県横浜市の横浜文化体育館で行なわれた。

 1位の木下アビエル神奈川が、第1マッチのダブルスのあと石川佳純、木原美悠、杜凱琹(ドゥ・ホイカン)という3人によるシングルス3連勝で、3勝1敗で勝利した。3月17日のプレーオフ・ファイナルに出場することはすでに決まっているが、1位通過に向けて勝ち星を積み上げた。

急成長を遂げている14歳の木原美悠急成長を遂げている14歳の木原美悠 木下アビエル神奈川のなかで注目したいのが、14歳の木原だ。1月の日本選手権では、5回戦で平野美宇に、準々決勝では大会後に2019年の世界選手権代表に決まった佐藤瞳に勝つなど、日本代表で活躍した経験を持つ選手たちと対戦したうえで準優勝を飾り、文字通り伸び盛りと言える注目選手だ。

 2月9日は、2017年-18年の中国のスーパーリーグにおいて団体戦で準優勝した経験を持つ蒋慧(ジャン・ホイ)と対戦した。蒋は、出場試合から見るとTリーグではダブルスで活躍している選手だ。第1ゲームは、木原がサーブからの3球目を打った時になかなか攻撃が決まらず、取れたのは8ポイントだけだった。木原が持ち味を見せたのは第2ゲームからだ。

 第1ゲームと第2ゲームでは、木原の出すサーブが変わった。第1ゲームはフォアハンドからのサーブで、相手の蒋が余裕をもったフォアのレシーブでうまく返していく傾向だったと言えた。木原が振り返る。

「1ゲーム目はいつものサーブ、ほとんど1種類のサーブを出しました。あまり効かなかったから、2ゲーム目からいろいろなサーブを出したら、相手が崩れて、そこから攻めることができた」

 第2ゲームは、蒋がレシーブする時、あまり時間的に余裕がなくなるようなサーブを出して、時折、バックハンドからのサーブなども交えて、相手のペースを崩した。

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