NFLドラフト1巡目でQBが5人も。今年の新顔はスター候補ぞろい (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 当初、トップ指名の可能性がもっとも高いと言われていたのは、南カリフォルニア大のサム・ダーノルドだった。プロ向きの体躯と強肩は折り紙つき。だが、ファンブルなどターンオーバー癖が懸念されて、ドラフト順位を下げたと思われる。結果、全体3番目でニューヨーク・ジェッツから指名された。

 しかし、ダーノルドのプレシーズンでの評価は上々だ。ルーキーながらリーダーシップに長けたプレーでアピールに成功し、他の新人QBに先がけて開幕戦の先発に指名されている。

 今年のドラフトでダーノルドと並んで強肩で知られるQBは、全体7番目でバッファロー・ビルズに入団したワイオミング大のジョシュ・アレンだ。ただ、その「鉄砲」ぶりこそ高評価な一方、大学での通算パス成功率は56.2%と精度に欠いている。近年のNFLトップ級QBのパス成功率は65%を超えるだけに、アレンがプロの世界でどこまで成長できるのか興味深い。

 そのアレンとは対照的に、プロの世界にすぐ順応するだろうと言われているのが、名門UCLAからアリゾナ・カージナルスに入団したジョシュ・ローゼンだ。ドラフトではトップ3以内で指名されるだろうという前評価だったが、フタを開けてみれば全体10番目。細身の体型でプロの強いヒットに耐えられないかもしれないという点や、リーダーシップに欠ける(父親は著名な神経外科医であるため、いわゆる「ボンボン」と揶揄する声もある)ところが評価を下げたか。

 そして、5人の1巡目QBのなかでもっとも低い評価だったのは、ルイビル大のラマー・ジャクソンだ。1巡目の最終順位となる32番目でボルチモア・レイブンズが指名した。前出のメイフィールドが2017年に獲得したハイズマン賞(大学最優秀選手賞)を、ジャクソンは大学2年生のときに受賞している。ただ、その当初からジャクソンのプレースタイルは「プロ向きではない」と言われていた。

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