河村勇輝がサマーリーグで示したリーダーシップと悔し涙 2年ぶりの日本代表の舞台を糧に3年目のNBA挑戦は続く (3ページ目)
【残した爪痕の先に】
このサマーリーグで1試合平均20.8得点を記録したジェイレン・スローソンは、「常に全力で、泥臭いプレーも厭わず、周囲を巻き込んでプレーするのが好きな選手。勇輝のプレーを見ていると、やる気が湧いてくる」と話した。一方、2023-24シーズンにネブラスカ大で富永啓生とチームメイトだったリエンク・マストは、河村の気を抜かない守備と思いもよらないパフォーマンスを見せる攻撃に刺激を受けたひとりだ。「彼は本当にすばらしい。相手をコートの端から端まで追いかけてボールにプレッシャーをかける守備も好きだし、オフェンスで見せるプレーは、時に魔法のような凄みがある」と言い、「彼と一緒にプレーすることは楽しい」と笑顔を見せた。
そしてスミスは、セブンティシクサーズ戦後にメディア対応した際、相手から連続でターンオーバーを誘発した河村のディフェンスを挙げ、その存在を称え、感謝した。
「ああいうプレーこそがチームの起爆剤となる。彼はコートに入れば、そうした仕事ができる選手だ。さらにすばらしいのは、彼が本当にいいチームメイトだということ。出場時間はそれほど長くなかったかもしれないけれど、常にチームを支え続けていた。(同セブンティシクサーズ戦での)オーバータイムの間もずっと僕に声をかけてくれていた。プロ意識が高いだけでなく、チーム全体を心から大切に思っている、そんな選手がいてくれることは本当に大きい」
ペイサーズは、現時点(8月3日時点)でツーウェイ契約の枠が埋まっており、スミスもまだ契約していない状態だ。フリーエージェント(FA)の河村も、自身の行き先についてまだ何の発表もしていない。
ただ、一方で、「FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window4」のメンバー候補には名を連ね、2024年パリ五輪以来となる日本代表としてプレーすることが濃厚となった。
今後の契約については不透明だが、まずは代表戦でサマーリーグで見せたリーダーシップ、そして思うような結果を残せなかった悔しさを晴らすプレーを見せてくれるのではないか。
いずれにせよ、河村がサマーリーグでしっかり爪痕を残したことは確かである。
スローソンは、言っていた。
「勇輝がどこに行くことになろうとも、連絡を取り合うつもりだ」と。
サマーリーグ5試合のために、ともに練習を積み、戦ってきたチームメイトから得た人望もまた、河村の強みなのだ。
著者プロフィール
山脇明子 (やまわき・あきこ)
大阪府出身。ロサンゼルス在住。同志社女子大在学時に同志社大野球部マネージャーと関西学生野球連盟委員を兼任。卒業後はフリーアナウンサーとしてABCラジオ『甲子園ハイライト』メインキャスター、サッカーのレポーターなどを務める。渡米後は、フリーランスライターとしてNBA、メジャーリーグ、アメリカ学生スポーツを中心に取材。
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