河村勇輝がサマーリーグで示したリーダーシップと悔し涙 2年ぶりの日本代表の舞台を糧に3年目のNBA挑戦は続く (2ページ目)
【悔し涙で振り返った自身の出来】
河村が今年のサマーリーグでプレーするため、ペイサーズとサインしたのはNBAドラフト(6月23・24日)より「もっと前」のことだった。だが、ペイサーズがドラフト2巡目全体38位でシカゴ・ブルズに指名された地元インディアナ州のパデュー大出身、ブレイデン・スミスをトレードで獲得したことで状況が変わった。
「特にサマーリーグは、ドラフトされた選手がミニッツ(プレー時間)をもらうのは周知のこと。彼のプレースタイルを確認した時、かなりピュアなポイントガードですごく僕に近いスタイルだった。ただ(自分には)コントロールはできないので、なかなか難しいサマーリーグになるのかなと思いました」と河村。「ペイサーズともしっかり話はした」うえで、「僕がもらえるミニッツのなかで最大限貢献しよう」と気持ちを切り替えて挑んだサマーリーグだった。
初戦は第3Qにリードを広げたチームに貢献し、再び接戦となった第4Q中盤以降にコートに立って、勝利で試合を締めた。
2戦目のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦は、さらに存在感を発揮した。第3Q中盤、自らがコートに立った直後にこの試合最大となる24点差をつけられたが、マッチアップする相手から立て続けにターンオーバーを誘発した。そして自らの3ポイントで10点差に追い上げたのだ。勢いづいたペイサーズは試合をオーバータイムに持ち込む健闘ぶりを見せた。ただ、同点に追いついた第4Q終盤もオーバータイムも河村の出番はなく、ペイサーズは敗れた。最後のニューオーリンズ・ペリカンズ戦では、フィールドゴールこそ8本中2本成功(3Pシュートは3本中成功ゼロ)など5得点だったが、12アシスト、5リバウンドでチームの勝利に貢献した。
5試合を戦い終えた河村は、1試合平均17.5分の出場で8.2得点、4.8アシスト。ただ、3Pシュートは13本放って1本しか決まらなかった。
「NBAでやっていけるレベルのパーセンテージではないのは間違いない。このサマーリーグに向けて、もちろんしっかり準備はしてきたし、自分のなかではやりきってここまで来たと思いますけど、それでも何かが足りなかったということ」
「やってきたことが何も出せなかった。自分の実力のなさをすごく痛感します」と、目に涙を浮かべた。
そして、こう続けた。
「去年(サマーリーグでプレーし、のちにツーウェイ契約を勝ち取った)シカゴ・ブルズでは、僕とスタイルが似ているポイントガードがいなかった。ピュアなポイントガードの役割は僕が担っていて、ゲームを作ったり、ボールを持ってうまくリズムを作れる時間帯が多かった。今回はドラフトされた彼(スミス)とすごくスタイルが近いというのもあり、一緒に出ることも多くないので、短い時間でリズムを作ることができなかった」
苦しんだサマーリーグだった。
だが、このサマーリーグで最初に発した「リーダー」の任務はやり遂げた。ベンチにいる時もコートにいる時もチームメイトに声をかけ続けた。そして司令塔としてチームをまとめた。ポジションを争うライバルでありながら、スミスの成功を望み、励まし、声援を送った。
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