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【Bリーグ】富永啓生「3P成功率50パーセント」宣言 渡邊雄太「シュート力は間違いなく日本で一番」と警戒 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【富樫勇樹が富永に伝えた希望】

 他チームの選手たちも、富永のプレーぶりを注視している様子だ。

「富永選手が今年からBリーグに来るということで、昨年アメリカでは悔しい思いもしてきていると思うんですけど、本当に力のある選手です。シュート力は間違いなく日本で一番の選手だと思っています」(渡邊雄太/千葉ジェッツ)

 2022年のFIBAアジアカップ。ディープスリーを次々と決める富永の姿を、渡邊はベンチで「冗談だろう」とでもいわんばかりの笑顔で見守っていたのが印象に残る。NBA時代にシーズン3P成功率40パーセント超えという高確率を記録している渡邊ですらも、ただの3Pシューターの域には収まらない富永のBリーグ参戦に対し、高い関心を寄せている様子だった。

「いち先輩として負けたくないという気持ちはあります。ただ、こうして国内リーグで彼とマッチアップできることはすごく楽しいこと。ロイブルHCには東京オリンピックでコーチをしていただいたので、Bリーグの試合で戦うことにすごくワクワクしています」

 富永と東京オリンピックの3×3日本代表でともに戦った保岡龍斗(ファイティングイーグルス名古屋)は、富永が多くの経験を得てBリーグに来たことについて、こう話していた。

 富樫勇樹(千葉ジェッツ)はベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)と一緒に放送しているポッドキャスト『Club 93 Podcast』に富永をゲストとして迎えた際、Bリーグに来る可能性を示した富永に対して「(3P)シュートを20本打てるチームに行ってほしい」と伝えていた。

 果たして富永は、よく知るロイブルHCが指揮するレバンガに入ったことによって、より彼らしくプレーできる環境を手にした。

 富永の魅力は、シュートが入れば入るほど自らの興奮に増して豹変していく様(さま)にある。ふだんの富永はさほどふざけることもなく、どちらかといえば謙虚で静かな人物だ。そんな彼がコートでビッグショットを決めると、大仰ともいえるジェスチャーで観客に応える。その二面性と呼べるほどの乖離が、また見る者を惹きつける。

「大勢の観客の前でプレーすることによって、より乗っていくことができる」と、富永は話している。言い換えれば、彼には自らを昂(たかぶ)らせる「熱」が必要で、だからこそシュートを打ち続けなければならない。

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