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河村勇輝がブルズと2ウェイ契約「特別な存在になれる」と元NBAスモールPGが評価した3つの要素 (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

【コリソンが河村を見て想起したNBA選手は?】

低身長PGとしての自身の経験も踏まえて河村について語ってくれたコリソン氏 photo by Sugiura Daisuke低身長PGとしての自身の経験も踏まえて河村について語ってくれたコリソン氏 photo by Sugiura Daisuke

 サマーリーグ開始前の時点では、ブルズの2ウェイ契約枠はすでに3つとも埋まっていた。河村にそのうちのひとつを与えるために、チームは昨季も2ウェイ契約を結んでいたジャミア・ヤングを解雇する決断を下した。

 ヤングはサマーリーグの5戦では平均13.0得点(FG成功率52.3%、3P成功率53.3%)を挙げ、バックス戦では37得点をマークするなど、得点力を誇示していたスコアラーである。もちろんチーム事情による判断だが、この選手を押し出しての新契約だからこそ、河村の躍進には価値があると考えることもできる。それと同時に、来季の活躍にもより大きな期待を寄せたくなる。

「パスやプレーメイキングという点において、ユウキは少しリッキー・ルビオを思い出させるところがある。あくまでプレーメイクに関してであって、ふたりの選手がまったく同じタイプだというわけではない。ただ、パスの面では確かに共通点を感じるね」

 コリソンが比較対象として挙げたルビオも確かに河村同様、魔法のようなパスが得意な司令塔タイプだった。抜群のスター性と甘いマスクを持ち、全盛期には創造性豊かなプレーでファンを歓喜させたのはまだ記憶に新しい。スペイン出身の神童ルビオと同じように、河村もまたNBAの舞台でも階段を上がっていけるのか。

 ブルズ対ジャズ戦をコートサイドで見た直後、コリソンは明らかに興奮し、河村のプレーに魅了されていた。ここでの絶賛の言葉には、いわゆる"新近性バイアス" (過去よりも最近の出来事のほうが記憶に残りやすく、重要視してしまう心理現象)もあったのかもしれない。ただ、逆に言えば、元NBAのベテランをそれほどエキサイトさせたことからも、河村のポテンシャルが示されているという捉え方もできる。コリソンに限らず、サマーリーグでのプレーを見て今季の河村により注目したくなったというファン、関係者は少なくないはずだ。

つづく

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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