【F1】角田裕毅はたった2日間のF3ドライブでトップタイムをマーク ヘルムート・マルコ「ウソだろ?」 (2ページ目)
【カルロス・サインツより速かった】
── ハンガリーのテストに臨む前に、何か準備はしたのでしょうか?
「角田はまだF3マシンに乗ったことがなかったから、テストをしなきゃということになりました。たまたま岡山でフォーミュラカーが走れるスポーツ走行の枠があったので、急遽、戸田レーシングに頼み込んで2日間走らせてもらい、当時戸田レーシングで監督をしていた加藤寛規さんにバックアップしてもらいました。
ハンガロリンクのテスト中も、夜中に角田から加藤さんのところに『ここはどうやって走ったらいいですか?』って聞いてきて、加藤さんもやりとりしてくれていた話はあとで聞いて知りました。でも、そのくらい一生懸命やっていたんだと思います。そのテストで最終日にトップタイムを出したんです」
── ヘルムート・マルコさん(レッドブル・モータースポーツアドバイザー)からの反応は?
「テストが終わったあと、マルコさんから『角田はF3、どのくらい乗っていたんだ?』と連絡があったので、『F4しか乗ったことがないので、あまりに可哀想だから2日間だけ岡山でF3のテストをさせただけです』って答えたら、『ウソだろ!?』と言われました(笑)。
あの時、ジュニアチームで一番速かったのはダン・ティクトゥム(イギリス)で、カルロス・サインツ(当時ルノー)も遊びにきて乗ったんだけど、彼らより速かった。そこで最初の通過点をパスしたねって言ったのを覚えています」
── そのテストの直前、同じハンガロリンクで行なわれたハンガリーGPを訪れていた角田選手と話した時には、まだF1はそれほど強く意識してはいないものの、国内よりも海外に出たほうがいいのだろうか、と考えている様子でした。
「あの頃は、まだ僕にも『F1、F1』とはあまり言ってなかったですね。そういう意味では、本当にそれ(テスト)が彼にとって大きな分岐点になったし、ホンダの育成プログラムもあそこから加速したんです。
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