角田裕毅にスペインGPで再び「奇跡のようなレース」を期待! 今年は攻めるべき時は攻め、守るべき時は守り、最後にポイントを拾い上げる (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【今年の角田はミスを犯さない】

 200km/hオーバーの高速コーナー2から1kmのロングストレートへのアプローチとターン1へのブレーキング勝負で、今年はバトルやオーバーテイクが増えることが期待されている。

「いい変更だと思います。もっとオーバーテイクもしやすくなるだろうし、エキサイティングなコースレイアウトになると思います。まぁ、いつもどおりやります。アップデートの効果を確認するには最適なサーキットだと思いますし、データを取りながらQ3とポイント獲得を目指して頑張りたいと思います」

 角田自身も言うように、モナコGPで投入したアップデートがうまく機能したとしても、AT04はバルセロナで厳しい戦いを強いられるだろう。当然ながらライバルたちもアップデートしており、モナコでは投入を見合わせたチームもこのバルセロナには投入してくる。

 だが、そんな絶望的な状況でも予選でQ2やQ3に駒を進め、予想を上回る走りを見せてきたのが、今年の角田だ。

 決勝でもミスを犯さず、レース全体を俯瞰で見て攻めるべき時は攻め、守るべき時は守る。そんなドライビングでポイントを拾い上げてきたのが、今年の角田だ。

 マシンの総合力のみならず、ドライバーとチームの総合力も問われるこのバルセロナで、またそんな奇跡のようなレースを期待している。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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