ホンダがワンツーフィニッシュで反撃の狼煙。日産に一矢報いてスーパーGT最終決戦が面白くなってきた (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

最終戦の気になるデータ

 シーズンの土壇場でホンダ陣営は最高の結果を掴み取った。タイプS仕様になってようやく速さと強さを見せることができ、佐伯LPLの表情からも久しぶりに笑顔がみられた。

「前回のSUGOから勝負だと思っていたのですが、ああいう天候になって、展開をこちら側に持ってこられませんでした。『これはちょっと苦しいな......』と思っていましたが、今回は天候にも恵まれて、このクルマのパフォーマンスが証明されたかなと思います。あとは(最終戦の)もてぎ勝負ですね。ここまできたら、いくだけいってもらいます!」

 第7戦の結果により、17号車の塚越/松下組はトップから4ポイント差のランキング3位。自力でチャンピオンを狙える範囲につけた。100号車の山本/牧野組はトップから17ポイント差。逆転の条件は厳しいが、2年連続で劇的な逆転劇で王座が決まっているGT500クラスだけに、最後まで何が起こるかわからない。

 11月5日・6日に迎えるスーパーGT最終決戦。ここでひとつ、気になるデータがある。

 最終戦の舞台となるモビリティリゾートもてぎ(旧ツインリンクもてぎ)では、車両規則の変更に伴いホンダNSX-GTがFR化された2020年から計4回、レースが行なわれている。実は、その4回とも優勝を飾っているのがホンダ陣営だ。

 たしかに今シーズンは日産の速さが際立っている。しかしながら、今回のレースでサーキットを包み込んだホンダの勢いも決して侮れない。オートポリスでのレース結果が最終戦に向けて、どのように影響するのか。今年もスーパーGTの最終決戦は、ゴールの瞬間まで目が離せない。

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