スーパーGT、合言葉は「打倒ホンダ」。トヨタと日産が体制にテコ入れ (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 一方、昨年僅差で王座を逃したトヨタは、頂点奪還を意識したドライバー変更を行なった。そのなかでも、1月22日に発表されたラインアップでとくに注目を集めたのは、2019年王者である山下健太の復帰だろう。

 山本は昨年、WEC(FIA世界耐久選手権)に集中するため、スーパーGTから離れることとなった。結果的には諸事情で参戦が困難となり、海外ドライバーの代役として国内3レースを戦ったが、2021年は日本にレース活動の拠点を戻すようだ。

 加入するのは14号車の「TGR TEAM ENEOS ROOKIE」で、ペアを組むのは大嶋和也。つまり、2019年のチャンピオンコンビが復活するのだ。抜群の速さを持つ山下のスーパーGT復帰は、ライバル陣営にとって気が気でないだろう。

 また、昨年チャンピオン争いを繰り広げた37号車の「TGR TEAM KeePer TOM'S」には、21歳のサッシャ・フェネストラズが加入する。フォーミュラE参戦で日本のレースから一旦離れることとなったニック・キャシディの後任だ。

 フェネストラズは昨年、GT500クラス初参戦ながら安定感のあるドライビングを披露。開幕3戦連続で表彰台に立って関係者を驚かせた。コンビを組む26歳の平川亮と切磋琢磨し、お互いの持ち味が発揮されれば、ホンダ勢にとっても脅威の存在なるに違いない。

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 対する日産勢も、ライバルに追いつき逆転するべく、新たな布陣を用意してきた。

 そのなかでも「打倒ホンダ」の要となりそうなのが、松下信治の加入だ。松下は昨年FIA F2に参戦し、スペインで行なわれた第6戦では優勝も飾った。しかし、シーズン途中にシートを失い、後半は日本に拠点を戻してスーパーGTのGT300クラスとスーパーフォーミュラに参戦した。

 これまでは「ホンダ系ドライバー」として活躍してきた松下。2021年もホンダからGT500クラスに参戦するのではないかという噂も絶えなかった。だが、最終的には日産でシートを獲得する形となった。

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