女性プロドライバーの苦悩。マシンを壊した後「男性と扱いが違う」難しさ (2ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto) 磯貝琢哉●動画 video by Isogai Takuya

困難に直面しながらも挑戦を続けるいとう困難に直面しながらも挑戦を続けるいとうーーラリーではちょっとしたドライビングミスやペースノートの不備で大きなクラッシュにつながることもあります。 

いとう 
(2012年の)北海道ラリーではマシンが一回転する大きなクラッシュもしていますし、岩にもぶつかった経験もあります。それぐらいでは驚かないですよ(笑)。ラリーを長くやっていると、アクシデントには強くなりますね。それに現代のラリーカーは安全性がしっかりとしているので、意外と身体は大丈夫です。でも、マシンがグチャグチャなのを見ると、ハートのダメージは大きいですね。 

ーー他のスポーツと比較して、モータースポーツはお金がかかる競技です。資金集めに関してはどうでしたか? 

いとう そこが最も大変なことのひとつですね。たくさんスポンサーがつけばいろんなイベントに出場できますし、シーズンを通して戦うことができますが、資金不足でシーズン途中で参戦できなくなってしまった経験は何度もしています。私自身、性格的に人見知りなので、なかなかスポンサー活動で積極的にいけない部分があります。

ーーレースクイーンもしていたので、人見知りは意外です(笑)。 

いとう
 もともとは本当に人前に出るのが嫌な性格だったんです。そんな性格を克服するためにレースクイーンをしていたという面もありました。毎回、初対面の人がいると、本当に「どうしよう、どうしよう」と思ってしまいます。だからレースクイーンやスポンサー集めの活動、取材対応も本当は苦手なのですが、最後は開き直ります。そうじゃないと、レースクイーンの派手なコスチュームは着られませんから(笑)。

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