レッドブル・ホンダにビッグチャンス到来!暑くなれば優勝の可能性も (2ページ目)
シンガポールGPではセットアップをミスしてしまった。鈴鹿はかなり特殊で、セットアップを完璧に仕上げられるかどうかが予選で大きな差を生むんだけど、あまりセットアップが満足できる状態ではなかったからいい走りができなかった。それでもスタートがよくて3位まで浮上したのに、ターン2で押し出されてしまった。
あれがなければ、鈴鹿でもいい結果が得られていたはずだ。全体的にマシンはそんなに悪くはなかった。結果が出ていれば、この数戦の戦闘力の高さについてのみんなの見方も違ったはずだよ」
ただし課題は、タイヤをいかに保たせるか、ということだ。
シーズン後半戦に入ってからのレッドブルは、その点でメルセデスAMGやフェラーリと比べて苦労している。昨年の後半戦に急浮上した要因のひとつがタイヤマネジメントの優位性で、予選5位から決勝で怒濤の追い上げを見せたブラジルGPも、まさにそんな展開だった。
昨年はメルセデスAMG勢もブリスターに苦しんだが、昨年よりも硬いタイヤが持ち込まれた今年は、それほどタイヤを気にせずプッシュすることができるようになると予想される。これがレッドブルにとって、プラスになるのかどうかが重要なポイントだ。
インテルラゴス・サーキットはセクター1とセクター3が75%を超える全開率を誇り、実質的な最終コーナーであるターン12からターン1までは約1.2kmにわたって全開時間が続く。
その一方で、セクター2では全開率が50%を下回るほどコーナーが多い。距離ではストレートのほうが長いが、走行する時間ではコーナーのほうが長い。そして2本の長いストレートではDRS(※)が使えることから、どのチームもダウンフォースをつけてセクター2を速く走るセットアップを採る傾向にある。これも、パワーでやや後れを取るレッドブルにとっては追い風だ。
※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。
そして標高2200メートルのメキシコほどではないにせよ、800メートルのインテルラゴスではターボと冷却が強いホンダのパワーユニットの利点も生きてきそうだ。ましてや、日曜は強い陽射しが降り注いで暑くなりそうで、まさしくレッドブル・ホンダが勝ったオーストリアGPのような状況とも言える。
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。
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