MotoGP前半戦終了。日本人ライダー7人は皆、輝きを放っていた (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 今回のドイツGPも、予選までは苦戦傾向に見えたが、決勝レースでは安定したペースで追い上げて最後は先頭グループに追いつき、7位でゴール。レース内容は上々と言っていい。

「シーズン序盤戦は、GPライダーはさすがにうまいし強い、と思っていたけど、タイムアタックやバトルのやりとりを前半戦でいろいろと試せて、かなりわかってきたと思います。ル・マンで転倒してムジェロは欠場したけど、それ以外は完走できているので収穫も多いし、後半戦ではもう5個くらいポジションを上げられればな、と思います」

 佐々木歩夢(ささき・あゆむ/18歳/Petronas Sprinta Racing)は、第9戦・ドイツGP予選でポールポジションを獲得。参戦3年目の今年、シーズン前半は思ったような走りができずに精神的な焦りも垣間見えたが、前戦で良いヒントを掴んだことをきっかけに、本来のポテンシャルをようやく発揮し始めた。

 決勝でも、序盤から最後までトップグループで争った。結果は9位だが、浮上の契機はすでに掴んでいるだけに、シーズン後半は大混戦のMoto3クラスでさらに持ち味を発揮することを期待したい。

 鈴木竜生(すずき・たつき/21歳/SIC58 Squadra CORSE)も、ここ最近は毎戦トップグループで争っておおいに存在感を発揮しながら、転倒に巻き込まれる不運な事態も続いた結果、ランキング面では16位と低位に沈んでしまっている。

 第4戦・スペインGPでは2位表彰台も獲得したが、「結果はあくまでも数字じゃないですか。Moto3のレースをよく知らない人がランキングだけを見て、『去年と変わってないじゃないか』と思われても仕方ない。その意味では残念ですね」と話す反面、パフォーマンスの高さとランキングの不一致は、「むしろモチベーションになります」とも言う。

 ドイツGPは14番グリッドスタートで、序盤はトップグループから離されながらも少しずつ追いつき、最後は優勝者から0.749秒差の8位でゴールした。「後半戦に向けてかなりポジティブだし、後半戦では予選の小さなミスをなくして、レースでもっといい位置から楽に戦えるようにしていきたいです」。

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