2019年のF1を大胆予想。レッドブル・ホンダは平成のうちに勝てるかも (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 最速と言われた2018年型マシンも、実際には低速コーナーでも中高速コーナーでもメルセデスAMGには及ばず、パワフルなパワーユニットの威力が発揮できるサーキットでなければ厳しかった。タイヤマネジメントの面においても、メルセデスAMGやレッドブルには劣っていた。もちろん、レース戦略面でも彼らとは比べるべくもない。

 ようやくお家騒動が収まったとはいえ、今のフェラーリにはネガティブな要素ばかりが目立つ。ジャン・トッドとロス・ブラウン、ミハエル・シューマッハという「非イタリア連合」が揃い黄金時代を築く前の、20年間に及ぶ低迷期と似た様相を呈している。

 そう考えれば、フェラーリの復活はかなり難しい。この状況でフェラーリが復活するとすれば、こうしたネガティブ要素を取り返すくらいマシンパッケージがよかった場合だけだろう。

(6)大混戦の中団グループから抜け出すのはどのチームだ?

 中団グループは、さらなる大混戦になるだろう。

 ルノーはいよいよ本腰を入れて予算を投じ、開発やファクトリー施設、人員の拡充を整えてきた。レッドブルからダニエル・リカルドを引き抜いたのは、ドライバーとしての腕もさることながら、レッドブルのノウハウや手法を学び取りたいからだ。

 重要な情報を握るポジションのエンジニアには、最新情報の流出を防ぐために半年から1年程度の「ガーデニング休暇」というものがあり、すぐには獲得できない。しかし、ドライバーならすぐに加入が可能なのだ。

 とはいえ、昨年時点で同じパワーユニットを積むレッドブルに対して、車体だけで1秒近い差をつけられていたルノーは、一気に車体性能をトップレベルに上げることは現実的ではない。昨年もスペックCと呼ばれる第3弾のアップデートに失敗するなど、パワーユニット性能も依然として苦境に立たされている。

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