6位なのにガスリーはショック。トロロッソに課せられた夏休みの宿題 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 とはいえ、低いと言っても全開率は55%は下らないし、出力がほぼ同等のルノー製パワーユニットを積む3チームとは同じ条件であることも変わらない。ルノー以外を積むハースやザウバー、フォースインディアとの差が縮まるという意味でしかなく、ルノーユーザーとの位置関係は変わらないのだ。

 そして、ここ数戦の不振はパワー不足もさることながら、マシン開発の停滞とセットアップの迷走によるものだ、というのがチームとしての結論だった。コーナーの入口で不安定、コーナーのなかでフロントが逃げていく、コーナーの出口でトラクションがない。それをなんとか補うためにウイングを削ることができず、ストレートも遅くなる......。そうして、何もいいところがないクルマ作りで妥協せざるを得なくなってしまっていた。

 それが解決していなければ、いくらパワー不足の不利が小さいハンガロリンクでも好位置に浮上することはできないと考えていた。

 だからこそ、トロロッソ・ホンダとしてもハンガリーGPに向けて楽観視していたわけではなく、金曜のフリー走行を終えた時点でさえ、Q3進出はそう簡単ではないという見方をしていたくらいだった。

「フェラーリ製パワーユニットがかなり強力になってきていることは事実だけど、ホンダも進歩しているよ。それよりも、今の僕らが後れを取っている大きな理由は、オーストリアGPに投入した空力パッケージがきちんと機能していないということだ。ハンガロリンクが僕らにとって合っているサーキットであることは間違いないけど、空力アップデートが期待どおりのパフォーマンスを発揮してくれなかったことで、僕らのポジション自体は5戦前に比べれば後退している。ここでどのあたりのポジションにいけるかを予想することはかなり難しいよ」(ブレンドン・ハートレイ)

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