ホンダが味わう疎外感。マクラーレンと最後まで、うまくやっていけるか (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 皮肉なことに、そう語っていたアロンソがスタート直後の混乱に乗じてポジションを上げた矢先にクラッシュに巻き込まれ、マシンに大きなダメージを受けてリタイアを余儀なくされた。

 ターン1進入時点で3番手まで浮上していたのは、アロンソの好反応とスロットル&クラッチ操作、そしてスペック3.5から大きく向上した低速トルクによる0-100km/h加速が生きたのは事実だ。だが、一方でそのゴボウ抜きは上位勢がフェラーリ2台とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のクラッシュを避けようと減速したからこそであり、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)もダニエル・リカルド(レッドブル)もこれをしっかりと視認して回避行動を取っている。アロンソの位置からでは水しぶきにさえぎられて視認は難しかったかもしれないが、周りの他車の動きを考えればコース外にはみ出しながら前へ出てターン1に飛び込んでいったのは、やや無謀だったようにも見えた。

「イン側で何が起きているのかは、ほとんど把握できていなかったよ。でも、間違ったときに間違った場所にいてしまった僕は、接触の後はただの乗客でしかなかったし、どうすることもできなかった。オーバーステアがひどくて気持ちよく走れる状態ではなかったし、最終的には(ERS/エネルギー回生システムの)電気系のトラブルが出てリタイアしなければならなかった」

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