ホンダが富士で逆襲。
鈴木亜久里が見捨てなかったドライバーの恩返し (3ページ目)
「NSXにクルマが変わってから厳しいシーズンを送っていて、ここ数年はすごくつらい時期がありました。(GT500クラスで)4年前に勝ったときは途中で雨が降ってきて、『マグレ』みたいな勝ち方だったのですが、今回は本当に皆よくがんばってくれました」(亜久里監督)
4年前に勝利した2013年の第4戦・SUGOは後半に降り始めた雨の影響により、ARTAの前を走っていた5台がアクシデントやトラブルで次々と脱落。亜久里監督が「マグレ」と表現したのは、棚ボタで優勝した印象が強かったからだろう。それだけに今回、ARTA NSX-GTの速さが光ったなかで掴んだ勝利とあって、その喜びも特別なものに違いない。
また、亜久里監督と同じように、ARTA NSX-GTのステアリングを託されたふたりのドライバーも、これまで語りつくせないほどの苦労があった。
現在27歳の野尻智紀は、スーパーフォーミュラではルーキーイヤー(2014年)に1勝を挙げるなど、2013年SF王者である山本尚貴と並んで「ホンダ勢のエースドライバー」と言われるほど突出した速さを見せていた。しかし、スーパーGTでは2015年にGT500クラスへとステップアップし、ARTAから参戦を開始したものの、なかなか表彰台に上がれずに苦戦が続いた。
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