ホンダが「どうせダメ」といわれたイギリスGPで示した0.3秒の進化 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

マクラーレン・ホンダはパワーサーキットで中団グループと互角に戦ったマクラーレン・ホンダはパワーサーキットで中団グループと互角に戦った「たとえば、ハンガーストレートはその直前のコーナーが速かったことで、早くアクセルを開けられてスピードを乗せていける。旧最終コーナーのルフィールドや今の最終コーナーなども今年はコーナリング速度が上がったので、どのくらい早くアクセルオンできるかがカギになっています。ストップ&ゴーになるかなと思っていたそういうセクションが、実際に走ってみたら割とそうではなくて、スピードを乗せて走っていけるのでよかったんですね」(長谷川総責任者)

 もう一方で、1本1本のストレートはそれほど長くなく、ストレートエンドで車体の空気抵抗とパワーが釣り合い、車速がそれ以上伸びない時間が短いという点もプラスに働いた。パワーで他社に劣っていることに加えて、MCL32のダウンフォース量に対するドラッグの大きさも、決して優れているとは言えないからだ。

「F1にはロー、ミディアム、ハイの3種類の空力パッケージがある。ローは超高速のモンツァ(第13戦)だけの特殊なもので、直線の長いカナダ(第7戦)やバクー(第8戦)には空気抵抗を削ったミディアム、オーストリア(第9戦)やシルバーストン(第10戦)にはハイダウンフォースのパッケージを使う。ミディアムは空気抵抗を削りながら、いかにダウンフォース量を維持できるかが勝負で、ハイとはまったく違った開発の方向性が問われる」

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