ホンダと腹を割って話したアロンソ。だが「鬼の走り」はまたも実らず (2ページ目)
話し合いのなかでは「僕がなじられっぱなしですよ」と苦笑いする長谷川総責任者だが、むしろそうやって言いたいことを直接言い合えるほうが、メディアに向かって不満をたれ流すよりもずっと健全だ。それがわかっているから、一連の騒動の間もホンダは一切、チーム側やドライバーを批判するようなことは言ってこなかった。
一度はほつれかけた糸だが、ようやくもう一度、固く結びつき始めている。
「ドライバーたちはもちろんあきらめていませんし、パワーがないとかドライバビリティが悪いとか文句を言うのも、『そこを直してくれればもっといい走りができるよ』というフィードバックでもあるわけです。優勝するパフォーマンスがないかぎり、そこについて厳しい議論がなされるのは当然のことです。だから(チーム提携解除やアロンソ離脱など)『即やめる』というような話にはしたくないんです」
他車の自滅もあってQ2に進み、13番グリッドを得た予選後、アロンソはこう言った。
「明日はどんなチャンスだって掴んでやろうと思っている」
まさにその言葉どおり、アロンソは雨まじりの決勝スタートからアグレッシブに攻めていった。
1周目が終わるころには8位までポジションを上げた。そして2周目にランス・ストロール(ウイリアムズ)の車両を撤去するためのVSC(バーチャルセーフティカー)が提示されると、「この周に入るよ!」と自らピットに飛び込んで、いち早くドライタイヤに交換する攻めの戦略を採った。
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