小林可夢偉、スーパーフォーミュラ新チームとル・マン制覇の野望を語る (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・写真 text & photo by Yoneya Mineoki

 しかし、可夢偉は硬くなり過ぎず、"自分らしさ"を武器に暴れてやろうと思っている。いや、昨年は見せることができなかった自分らしさを取り戻したいと願っているのかもしれない。

「責任重大かもしれないけど、あんまりそういうことは気にしてないんです。自分らしくやって、いいクルマを作れるようにチームと一緒にがんばっていきたいと思ってます。クルマがよくないと勝てないレースやっていうことは、この2年で実感したんで(苦笑)」

 冷静に見れば、昨年までの実績を考えてもKCMGが今すぐに勝てる場所にいないことは、誰の目にも明らかだ。もしかすると、チーム・ルマンで勝利を目指すよりも難しいことかもしれない。

 それは、可夢偉自身も重々承知している。

 しかし、それでも勝ちたい。勝ちたいからこそ、真っ暗ななかで光も見えずにあてもなく彷徨(さまよ)う道ではなく、薄暗くても一筋の光さえ見つかれば、それが眩(まばゆ)い光になる可能性のある場所で新たな挑戦をすることにした。

「(今すぐに勝つのは)簡単ではないですよ。でもレースをやるからには、勝つためにここにいるわけやから、勝てるように戦っていきたいと思ってます。クルマさえきちんとハマれば勝てると思ってますしね。

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