ホンダ5位入賞もアロンソは怖い顔。「鈴鹿での大惨敗を忘れるな」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 アロンソが語ったとおり、ペース自体はそれほどよかったわけではない。1回目のピットストップでは遅いルノーやザウバーの後ろに戻ってしまい、「なんて災難だ!」とアロンソがチームの判断を避難するように叫ぶ場面もあった。

 しかし、2回目のピットストップをしようとした矢先にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のリタイアでVSC(バーチャルセーフティカー)導入となり、このスロー走行の間にピットインを済ませたことで大きな得をした。

 それでも、マシンを接触させながらもフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)のインに飛び込んで抜き去り、自分より柔らかいタイヤのグリップ低下に苦しむカルロス・サインツ(トロロッソ)も冷静に抜き去って5位をもぎ取ったのは、アロンソの腕によるところが大きかった。

 ピットガレージのスタッフは喜び大騒ぎだったというが、長谷川総責任者は冷静に状況を見て、アロンソの巧みさに舌を巻いていた。

「実はレースの早い段階でジェンソンより1秒くらい速いペースで走っていましたから、今井弘エンジニアは、『これではちょっとタイヤが厳しい』と言っていて、『あんまりプッシュするとタイヤが保たないからプッシュすべきじゃない』という話が出ていたんです。でも、最終的にはアンドレア・ステラ(チーフエンジニア)が、『残り何周だよということだけ伝えて、あとはフェルナンドに任せよう』と決めたんです。正直言って、今日はドライバーに尽きます」

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