ホンダ5位入賞もアロンソは怖い顔。「鈴鹿での大惨敗を忘れるな」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 つまり、車体のシミュレーションモデルと実走の相関関係に致命的なズレを抱えているのだ。どんなシミュレーションにも現実との誤差というものは存在するが、多くのチームは経験とデータ収集に基づいてその誤差をコラレーション(誤差修正)して運用している。マクラーレンはそれがまだ完璧ではなく、鈴鹿ではそのズレがより大きく出てしまったというわけだ。

「実際のパフォーマンスが想定していたよりも低かったんだ。サーキットが求めるものが、まさに僕らマシンの弱点と言える部分だった。パワー不足もそうだし、空力面のある部分だ。他チームと同じレベルのパフォーマンスを発揮することができないタイプのコーナーがあり、鈴鹿ではそれが多かった。日本GPの後、ファクトリーでは徹底的に鈴鹿でのパフォーマンスの分析が行なわれた。このクルマの長所と短所をしっかりと把握し、このクルマで学んだことをもとに来年のマシン開発に生かさなければならない」(アロンソ)

 マクラーレンはカメラやセンサーなど数々の計測機器をアメリカGPの開催地オースティンに持ち込み、金曜日のフリー走行では2台のマシンを使ってさまざまなデータ収集を行なった。2台でサスペンションを柔らかめと硬めに大きく振り分けて比較してみたり、フロービズという揮発性ペイントによる気流の確認や、カメラによる空力パーツやタイヤのたわみの計測など、そのプログラムはとにかく多岐にわたった。鈴鹿で突きつけられた問題点を、改めて確認するためだ。

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