ホンダの作戦勝ち。MotoGP前半戦はマルケスが一歩リード (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 しかし、直前にタイヤを変えたこの決断は適切ではなかった、とマルケスは振り返る。

「エクストラソフトは自分の乗り方にあっていなくて、すごく苦戦した」

  レース序盤から先頭集団に離され、10周目には8コーナーでコース外にはらんでしまい、トップ集団を争っていたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)やロッシからは、17秒もの差が開いた。その後もギャップはどんどん大きくなり、最大で30秒近い差に広がった。一方で、雨はあがって路面のコンディションは、ライダーたちの走行するレーシングラインが少ずつ乾いていく気配を見せ始めていた。

 今年から公式タイヤサプライヤーとなったミシュランは、ウェット用タイヤとドライ用のスリックタイヤ以外に、その中間の難しいコンディションに対応する目的でインターミディエイトタイヤを用意している。しっぽりと濡れた路面が生乾きになってくるこの状況で、ピットへ戻ってマシン交換をする選手たちは、多くがフロント用にこのインターミディエイトを装着して再コースインしていった。だが、残り13周でピットインしたマルケスのタイヤは、フロント・リアともにスリックという組み合わせだった。

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