【エアレース】最終戦4位の室屋義秀。「来年は年間総合優勝を狙う」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 たしかにシーズン前半は第2戦(千葉)から新型機エッジ540 V3を導入し、「マシンのポテンシャルはあるのに、上位に行けそうで行けない」状態が続いた。だが、機体の調整が進んだ後半戦は大きく成績を伸ばした。室屋が続ける。

今シーズンを振り返り、来シーズンへの手応えを語った室屋義秀 ©red bull今シーズンを振り返り、来シーズンへの手応えを語った室屋義秀 ©red bull「第4戦(アスコット)あたりから結果が出始めたが、すでに来年に向けての準備を9月くらいから始めていて、冬場のシーズンオフには機体の改良も進める。2016年はさらにいい状態でシーズン開幕から入れると思う」

 このオフに室屋が予定する機体改良の目玉が、ウイングレットの導入だ。ウイングレットとは、胴体から水平方向に伸びる主翼の先端に、垂直方向に立ち上がるように付けられた小翼のことだ。これまではどの程度の効果が得られるのかの分析が難しく、導入に二の足を踏むケースも多かったが、今季年間総合2位となったマット・ホールらがその威力を証明したことで、他のパイロットにも採用の動きが広がっている。

 室屋もまた、現在のエアレース界で最注目のトレンドと言っていい武器の導入を決めた。「これによってターンのときの旋回半径が縮み、ターンを抜けた後のダッシュ速度も速くなる」と、室屋はその効果に期待し、「これでかなりレースが楽になるはず」と笑みを見せる。

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