【F1】マクラーレン・ホンダ、モナコGP8位入賞の舞台裏 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「木曜日にあまり走れなかったこともあって、ブレーキングに自信が持てなかったんだ。モナコで攻めて走るためには、そこが必要なんだけどね。でも、土曜日に向けてセットアップを大きく変えて、かなりクルマに自信を持って走れるようになった。おかげで自分たちのパッケージのすべてを引出すことができるようになった」(バトン)

 今回こそは2台揃って予選Q3進出を、とドライバーはふたりとも自信を見せていた。

 しかし、フェルナンド・アロンソのマシンは電気系トラブルでストップし、バトンは最後のアタックでニコ・ロズベルグ(メルセデス)がタイヤをロックさせて出した黄旗の影響でタイムを更新できず0.1秒差でQ3進出を逃した。

「本人もQ3に行けたという感触を持っていたようで、走り終わった後にすごくガッカリしていましたね。本当に惜しいラップだったと思います。ドライバビリティに関してはドライバーたちと一緒になってかなり作業をやって、スロットルに対するパワーの割り付けとかをお互いに話し合いながら細かく決めてきたので、限られた時間の中ではありましたけどクルマの方はかなり仕上がってきているのかなと思います」(新井)

 決勝のグリッドは、上位勢のペナルティによって、バトンは10番手、アロンソは13番手からのスタートへと繰り上がった。つまり、そのままの順位でゴールすればマクラーレン・ホンダにとって初のポイントが転がり込んでくる。

 狭く曲がりくねったモンテカルロ市街地サーキットの決勝は、パレード走行のように延々と車列がつながることも少なくない。しかし、今年のレースは違った。

「モナコで10番グリッドからスタートすれば、普通はレース中ずっとトラフィックの中で過ごすものだけど、今回は結構バラけたから、かなりクリーンな状態で走ることができたし、最後の数周なんて、ずっと予選アタックのようだったね。タフなレースだったけど楽しかった。最近では珍しく、ちょっとフィジカル的にキツいくらいだったけど、ナイスだったね!」(バトン)

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