【MotoGP】最速タイムは誰?開幕前テストで「4強」が早くも火花 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「ちょっと失敗してしまったのでこのタイムになったけど、それがなければ58秒には入っていたと思うよ。ミスしてこの数字だから、まあ、いいんじゃないかな」と相好を崩すペドロサの機嫌がいいのは、20周のロングランで誰よりも高水準のラップを刻むことができたからだ。

 10周回にわたって2分00秒をコンスタントに維持した走りは、内容でマルケスを上回る。ペドロサからベストタイムで0.395秒差の1分59秒401だったバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)も、この高いパフォーマンスは一頭地を抜いていた、と素直に認めている。

「レースシミュレーションでは、ダニが一番良かった。僕たちもそんなに離れてはいないけれども、もし今日が決勝レースだったならば、ホンダが勝っていただろうね。今年のダニは、去年よりも強いと思うよ」

36歳になる今季も、チャンピオン争いへ意欲を見せるバレンティーノ・ロッシ(中央)36歳になる今季も、チャンピオン争いへ意欲を見せるバレンティーノ・ロッシ(中央) 一方、ロッシは自分たち自身のテスト内容に関しては、初日に課題として挙げたブレーキングからコーナー進入が改善した、とその成果を挙げた。さらにロッシは、自分よりも年下のライバルたちとチャンピオン争いを続けるために、間もなく36歳になる現在も、ライディングフォームの改造に積極的に取り組み続けている。

「ライディングは、いまでも見直している。高い水準で争い続けようと思うと、方法はそれしかないんだ。去年は大きく前進することができた。でも、まだ改善する余地はある」

 ロッシのチームメイト、ロレンソもまた、自分自身の復活とチャンピオン奪回に向けて着々と地固めを続けている。今回のテストには、身体を絞り込んでベストのコンディションで乗りこんできた。

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