総責任者に聞く。F1復帰するホンダは順調なのか (4ページ目)
今週の日本GPでは、巨大なホンダのブースで来季のF1復帰に向けたアピールが行なわれることになっている。鈴鹿サーキットを訪れる大勢のファンの胸中にも、期待と不安が混在していることだろう。彼らの心を打つような走りを見せるため、栃木で日々開発が進められている。
地元グランプリだからといって、鈴鹿にエンジニアを派遣するようなことはしないと新井は言う。「そんなことをしている暇があるのなら、設計図に向かっていた方がいいですよ」と。
「開発は“予定通り”と言っていますが、それは予定通りたくさんの苦労をしているということでもあるんです。というか、今苦労しておかないと、実を結ばないということです。日々いろんなことが起きますから、課題が山積みで大忙しです。予想通りたくさんの課題が出て来ているし、それをどうするか解決していくとまた次の課題が出て来る。予想外の大きな壁もありました。でも、それは今出てくれないと困るわけです。シーズンに入ってから出ちゃったら大変なことになるんですから。これからまだ山のように出ますよ」
そう語る新井の表情の奥には、難題に心躍らせる多くのホンダの技術者たちの姿が重なって見えた。
初走行まであと4カ月。ホンダのF1復帰プロジェクトは、いよいよ最終段階に突入している。
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