2012.07.03

【MotoGP】一触即発。
緊迫度を増すポイントリーダー争いの行方は?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

アッセンではストーナーが勝利し、優勝争いが激化 レース開始直後の、あっという間の出来事だった。

 第7戦オランダGPの舞台TTサーキットアッセンは、前半区間が非常にタイトなコーナー形状になっているが、その1コーナーで1周目にアクシデントが発生した。

 午後2時にスタートしたレースでホールショットを決めたのは、フロントロー2番グリッドスタートのダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)。チームメイトでポールポジションのケーシー・ストーナーがその直後に続く。フロントロー3番グリッドで現在ランキング首位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー)は、両名からやや出遅れたか……、と見えた瞬間、彼の姿は1コーナーアウト側のグラベル(砂利道などの非舗装路面)で砂塵を巻き上げながらマシンとともに滑走していった。

 ロレンソのイン側へ、明らかにオーバースピードで突っ込んできたアルバロ・バウティスタ(サンカルロ・ホンダ・グレシーニ)がコーナー入り口で曲がりきれずに転倒し、アウト側にいたロレンソをなぎ倒して道連れにしていった、というのがこの一瞬に発生した一部始終だ。

 わずか数秒で戦列から消えたロレンソがノーポイントに終わった一方、レースは終盤でペドロサをオーバーテイクしたストーナーが今季3勝目。ペドロサが2位に入り、ふたりの獲得ポイントはストーナー140、ペドロサ121となった。これでストーナーはロレンソと同ポイントで並び、ペドロサもふたりから19点差と、シーズン中盤戦に入ってチャンピオン争いはさらに緊迫度を増してきた格好だ。

 今回の勝利について、ストーナーは、「こういう形で25ポイントを獲るのは本意ではなかった」とロレンソに気遣いを見せながらも、「序盤から突き放そうと思ったけど、ダニがいいペースだったのでその後ろについていくことにした。終盤周回でもタイヤパフォーマンスがさほど下降していなかったので、前に出て差を開いていった」とレースを振り返った。

 対照的に、怒りが収まらないのがロレンソだ。数百メートルも走らずに終わったレースでの、1コーナーのアクシデントを振り返り、
「アルバロのように経験も豊富で、(125ccクラスで)チャンピオンを獲得した選手が、まるでテレビゲームで遊んでいる子どものような(明らかに無理な)挙動を起こす理由がわからない」
 と、苛立ちを隠そうともしなかった。