【F1】可夢偉語録・前半戦。「あれで怒られたら、僕が怒りますよ」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「2位か3位には入れてた」(Rd.5 スペインGP予選/10位)

 中国GP以上の調子の良さだったというスペインGP。トラブルのため予選Q3でアタックができなかったが、走れていればフロントロウからの決勝スタートになっていたはず。「Q3で走れてたら、あそこ(会見場)で喋ってましたよ」とやや悔しそうな可夢偉だった。

「予選さえちゃんと走れていれば表彰台に行けていたと思うんで、悔しいですね」(Rd.5 スペインGP決勝/5位入賞)

 9番グリッドから真っ向勝負で上位チームを下しての5位フィニッシュ。フロントロウからのスタートならば、ウイリアムズのパストール・マルドナドとの優勝争いも夢ではなかった。「でもチャンスを逃したという意味では残念ですけど、レースの内容という意味では全体的にうまくいったと思います」と可夢偉は満足げな表情を見せた。

「バレないように一気に仕掛けました」(Rd.5 スペインGP決勝)

 上位勢とのバトルの中で鮮やかなオーバーテイクを披露した可夢偉は、そのコツを「あんまり全部のコーナーでついていくと相手がディフェンスしやすくなってしまうんで、バレないように一気に仕掛ける」という。「曲がりきれるかどうか分からなかったんですけど、行ってみたら『お、曲がれるやん!』って感じで(笑)」と天性のマシンコントロール能力、バトル巧者ぶりの秘訣を教えてくれた。

「モナコは好きじゃないです」(Rd.6 モナコGP開幕前/予選12位)

 ドライバーの腕が試されると言われるモナコの市街地サーキットだが、可夢偉は「自信があれば誰でも速く走れる、みたいな。基本的には勢いのあるヤツがうまくいくけど、そういうヤツはレースでは失敗することが多いし」と、そういう固定概念を否定する。サーキットの特殊性ゆえに運に左右されがちなレース展開も「レーシングじゃなくてショーじゃないですか、モナコって」と可夢偉らしい物の見方を述べた。

「あれで怒られたら、僕が怒りますよ(苦笑)」(Rd.6 モナコGP決勝/リタイア)

 スタート直後の混乱に巻き込まれ、リタイアの可夢偉。「僕が外に逃げたらその瞬間にグロージャンが外に戻ってくるというワケのわからない動きをして。アウト側にはバトンもいたし、あれ以上アウト側に行ったら僕がバカな動きをしたって言われちゃうんで。まぁ、運がないなと思うしかないですね」と状況を説明。不用意なミスにはカミナリを落とすペーター・ザウバー代表だが、今回は怒っていなかったといい、「あれは怒りようがないでしょ」と可夢偉。

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