アンカツが苦悩の末に選定した「3歳牡馬番付」 皐月賞&ダービーは「ハイレベルな大混戦」 (2ページ目)
前頭筆頭:ベレシート(牡3歳)
(父エピファネイア/戦績:3戦1勝、2着2回)
有馬記念や宝塚記念などGI通算4勝のクロノジェネシスの初仔ということで、早くから注目されてきた同馬。新馬戦(7月20日/小倉・芝1800m)を快勝し、2戦目の1勝クラス・エリカ賞(2着。12月13日/阪神・芝2000m)は勝ち切れなかったものの、前走の共同通信杯で僅差の2着に入って、その血統のよさをのぞかせた。
直線坂下でほぼ最後方にありながら、坂を上がりきってから猛追。ホープフルSの覇者ロブチェン(牡3歳)をかわし、先行して鮮やかに抜け出した勝ち馬リアライズシリウス(牡3歳)にアタマ差まで迫った。上がりタイムはメンバー最速の33秒0。すごくインパクトのあるレースだった。
結果的に勝てなかったのは、たまたま。内容的には勝っていてもおかしくなかった。デビュー戦から常に鋭いキレ味を見せてきたけれど、世代屈指の末脚を秘めていることをあらためて証明した。
ただ、皐月賞はスキップして最大目標をダービーに定めたようだ。共同通信杯のレースぶりからもダービーのほうが向くのは確かゆえ、出走権を得て順調に駒を進めることができれば、本命候補となる1頭だ。
小結:リアライズシリウス(牡3歳)
(父ポエティックフレア/戦績:4戦3勝、着外1回)
前走でクラシックとの関連が深い共同通信杯を勝利。後続に4馬身差をつけた2戦目のGⅢ新潟2歳S(8月24日/新潟・芝1600m)を勝ったときも強い競馬だったが、その強さが本物だったことを示してみせた。
この馬のよさは、前で競馬ができること。つまり、自分で競馬をつくれるところだ。共同通信杯でもそうだった。やや早仕掛けという感じもしたが、それでも後続の追撃をしのぎきったのは立派。この世代の有力馬は差し・追い込み馬が多いことを踏まえると、この脚質は強みと言える。
気になるのは、勝った3戦がすべて左回りであること。右回りの朝日杯FSでは5着と振るわなかった。朝日杯FSはおよそ4カ月の休み明けで、馬体重も12kg増だったことを考えると、回りだけが敗因とは言えないが、現状では左回りのほうがスムーズに走れていることは明らかだ。
そういう意味では、狙いは皐月賞よりもダービーとなるが、ダービーは2400mという距離がどうか。もしかすると、GINHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)でこそ、という馬かもしれない。
(つづく)◆アンカツ渾身の「3歳牡馬番付」上位3頭 皐月賞&ダービーの有力候補は?>>
安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。
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