秋華賞で牝馬三冠を狙うリバティアイランドは本当に弱点がないのか 死角を探ってみた (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 唯一心配があるとすれば、舞台設定か。「広くて持てる力を発揮しやすい」と言われる京都コースにあって、内回りの芝2000mだけは例外。取りこぼしや番狂わせが起こりやすいトリッキーな難コースとして知られる。

 最後の直線が外回りに比べて75mほど短く、これが逃げ・先行馬に有利に働く。だが、それを意識するあまりにオーバーペースとなれば、時に人気薄の追い込み馬が突っ込んできたりする。過去、このコース形態に泣かされた人気馬は何頭もいる。

「確かにリバティアイランドにとって、(秋華賞での)最大の敵はこのコース形態かもしれません。終(しま)いの爆発力に特徴がある馬ですから、(直線が短い)この舞台は決して向いているとは言えないでしょう。

 そうは言っても、歴代の三冠牝馬のなかには後方一気タイプの馬も何頭かいて、それらも克服してきたこと。オークスでは好位から抜け出していますし、リバティアイランドは同世代のライバルには及ばない異次元の末脚を秘めています。取りこぼしはまったく考えられません」

 ほんのわずかな懸念さえ、先の専門紙記者はそう言って一蹴する。

 考えてみれば、今ではJRAを代表するトップジョッキーで、何頭もの名牝の背中を知る主戦の川田将雅騎手が、リバティアイランドについて「今まで出会ったことがない(逸材)」と評している。

 巷で言われているとおり、秋華賞はこの秋のGIでは本命が最も堅い"テッパン"レースであることは誰の目にも明らか。注目すべきはただひとつ、どう勝つか。

 GIジャパンC(11月26日/東京・芝2400m)で実現するかもしれない、最初で最後となる"最強"イクイノックスとの対決に向けて、一段と興味が膨らむような圧勝を期待したい。

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