共同通信杯で注目は、ハーツクライとトニービンの血が色濃い人気薄馬。併せて「最も手堅い馬」も押さえたい

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by 東京スポーツ/アフロ

 2月12日、東京競馬場で3歳馬によるGⅢ共同通信杯(芝1800m)が行なわれる。

 このレースは近年、牡馬クラシックレース第1弾・GⅠ皐月賞(芝2000m)への重要ステップレースとして位置づけられている。2021年エフフォーリア、2016年ディーマジェスティ、2014年イスラボニータ、2012年ゴールドシップと、過去11年で4頭が共同通信杯と皐月賞を連勝。その他、2022年のジオグリフ、2015年のドゥラメンテがこのレース2着から皐月賞を制している。

 皐月賞を占う上で最も重要なレースを、血統的視点から分析していきたい。過去の勝ち馬を見ると、目立つのがハーツクライの血だ。2022年ダノンベルーガ、2017年スワーヴリチャードと2頭の直仔が勝利していて、2021年の勝ち馬エフフォーリア(父エピファネイア)は母の父にこの血を持っている。

 ハーツクライは、サンデーサイレンス産駒で母の父がトニービンという配合。このトニービンの血を持つ馬も、2001年に直仔ジャングルポケットが、2007年にジャングルポケット産駒フサイチホウオーが、2018年にジャングルポケットの直系の孫オウケンムーンが勝利している。母の父としても、2004年のマイネルデュプレ(父ペンタイア)が勝利しているため、カギを握る血脈はハーツクライとトニービンと言って間違いないだろう。

 今年の出走馬で、まさにこの血を色濃く持つのがシーズンリッチ(牡3歳、美浦・久保田貴厩舎)だ。

昨年10月の未勝利戦で初勝利を挙げたシーズンリッチ昨年10月の未勝利戦で初勝利を挙げたシーズンリッチこの記事に関連する写真を見る 母の父がハーツクライで、父ドゥラメンテは前述のように、共同通信杯2着から皐月賞、さらにGⅠ日本ダービーを制したクラシック2冠馬。サンデーサイレンス3×3のほか、トニービン4×4という濃いインブリードの持ち主だ。

 母エバーシャルマンは芝1800m、2200mで1勝ずつ挙げ、オープン特別の紫苑Sで3着に入った実力馬。その母ラシャルマンテは、アルゼンチンでダート重賞を5勝している。ドゥラメンテ産駒のサンデーサイレンスクロスといえば、昨年のGⅠホープフルSを勝ったドゥラエレーデ(母の父オルフェーヴル)という成功例もある。

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