ニエル賞で完敗を喫したドウデュース。はたしてそこに、凱旋門賞制覇への「答え」があるのか

  • 土屋真光●取材・文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 フランスのパリロンシャン競馬場で9月11日(現地時間。以下同)、アークトライアルデーが開催された。

「アーク」とは、10月2日に行なわれるGI凱旋門賞(パリロンシャン・芝2400m)を指しており、同レースと同じ舞台で3つの前哨戦、牝馬限定のGIヴェルメイユ賞、3歳限定のGIIニエル賞、そして古馬によって争われるGIIフォワ賞が一遍に行なわれることから、「トライアルデー」と銘打っての開催となっている。

 そのうちのニエル賞に、凱旋門賞への参戦が予定されている今年の日本ダービー馬ドウデュース(牡3歳)が出走した。

 日本での馬券発売はなかったが、主要ブックメーカーや現地オッズではドウデュースが1番人気に支持された。過去にこのレースに出走したその年の日本ダービー馬、キズナやマカヒキらが勝利を飾っているうえ、近年の日本調教馬の強さを現地のファンも十分に認識しているからだろう。

 しかし、ドウデュースは7頭立ての4着に終わった。道中は最後方からレースを進め、最後の直線では外から伸びかけたものの、日本のレースで見せてきた爆発力をそこから発揮することはなかった。

 それでもレース後、手綱をとった武豊騎手も、同馬を管理する友道康夫調教師も、「勝てなかったことは残念ですが......」と口にしつつ、落胆の色は見せなかった。そもそもふたりは戦前から、今回は勝ち負けにはこだわらないことを強調。本番から逆算しての調整過程にあって、ここを叩いて良化することを期待していたからだ。

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